【New】月刊ポッドキャスト新聞10月号

東京国際映画祭2018へ行ってきた。「TIFFティーンズ映画教室2018」感想ほか

東京国際映画祭2018

おじいちゃん

今日はポッドキャストレビューじゃないぞ。おじいちゃんは大の映画好きでもある。

先日所用のため東京を訪れた際、なにか面白い催し物はないかと調べておったところ、東京国際映画祭の開催期間であることが発覚。これはと思い足を運んでみたのでレポートするぞよ。

東京国際映画祭2018の紹介

まずは、イベントの概要をご紹介しよう。

開催概要

  • 名称: 第31回東京国際映画祭
  • 主催:公益財団法人ユニジャパン(第31回東京国際映画祭実行委員会)
  • 期間:2018年10月25日(木)~ 11月3日(土・祝)[10日間]
  • 会場:六本木ヒルズ、EXシアター六本木(港区)、東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場(千代田区)ほか
  • 公式HPhttps://2018.tiff-jp.net/ja/

上映作品

下記の9 つの主要部門によって構成される。

コンペティティブ

コンペティション
Competition

  • 2018年1月以降に完成した長編映画を対象に、世界各国・地域の応募作品の中から、厳正な予備審査を経た16本の作品を期間中上映。
  • 今年は109の国と地域から1829本の応募。
  • 国際的な映画人で構成される審査委員のもと、アウォードセレモニーで各賞が決定される。
上映作品

『アマンダ(原題)』、『半世界』、『氷の季節』ほか


アジアの未来
Asian Future

  • “アジア発、世界へ、未来へ!”長編映画3本目までのアジア新鋭監督の作品をいち早く上映するアジア・コンペティション部門。
  • 日本から中東まで、いま最も活気に満ちたアジア圏のこれからの映画界をリードする作品を紹介。
  • 選出された作品の監督やキャスト・スタッフを招聘して日本の観客や映像業界との交流を図り、アジアの才能を世界へ発信。
  • 最優秀作品には「アジアの未来 作品賞」が贈られる。さらに、文化の違いを超えて国際的に活躍していくことが期待される監督に、「国際交流基金アジアセンター特別賞」が贈られます。
上映作品

『はじめての別れ』、『武術の孤児』ほか


日本映画スプラッシュ
Japanese Cinema Splash

  • 海外への飛躍を強く意識した部門。
  • 活況を呈する日本のインディペンデント映画から、とりわけ個性が強く、独創性とチャレンジ精神に溢れる作品を監督のキャリアを問わず紹介。
  • 出品作品は、海外から招聘する国際映画祭プログラマーやプレス、バイヤーに積極的に紹介される。
上映作品

『鈴木家の嘘』、『銃』、『メランコリック』ほか

ショーケース

特別招待作品
Special Screenings

  • 日本公開前の最新作をプレミア上映する特別招待作品は、オープニング、クロージング作品に加え、GALAスクリーニング作品の3作品を中心に大作や話題作が揃う、華やかな部門。
  • 国内のみならず海外からもスターが来場し、会期中に開催されるイベントを大いに盛り上げる。
上映作品

『アリー/ スター誕生』、『ROMA/ローマ』、『パッドマン 5億人の女性を救った男』ほか


Japan Now
Japan Now

  • この1年の日本を代表する作品の数々を、映画祭独自の視点で選考した部門。
  • 今日の日本映画を概観できるとともに、“日本の今”とそこに在る日本の美意識・文化が多面的に見えてくる。
上映作品

『カメラを止めるな!』、『万引き家族』、『リバーズ・エッジ』ほか


ワールド・フォーカス
World Focus

  • 世界各国・地域の映画祭受賞作や話題作、あるいは有名監督の新作から、日本公開が未決定の貴重な作品を取り上げる。
  • 欧米の作品に加え、アジアの有力作品も上映。
上映作品

『カーマイン・ストリート・ギター』、『ある誠実な男』、『世界の優しき無関心』ほか

クローズアップ

CROSSCUT ASIA #05 ラララ♪ 東南アジア
CROSSCUT ASIA #05 Soundtrip to Southeast Asia

  • 国、監督、テーマなど様々な切り口のもとでアジア映画を特集していく「国際交流基金アジアセンター presents CROSSCUTASIA」部門。
  • 5年目を迎える今年は、フィリピン・ラップからタイ歌謡まで、音で旅する東南アジア映画を紹介。
上映作品

『ブラザー・オブ・ザ・イヤー』、『輝ける日々に(『サニー』ベトナム版)』ほか


日本映画クラシックス
Japanese Classics

  • デジタル・リストアされた日本映画を上映する部門。
上映作品

『女は二度生まれる[4Kデジタル修復版]』ほか


ユース(TIFF チルドレン/ TIFF ティーンズ)
Youth (TIFF Children / TIFF Teens)

  • 少年少女に映画の素晴らしさを体験してもらう部門。
  • 「TIFFティーンズ映画教室2018」は、中学生たちが限られた時間の中で映画を作り、その驚くべき成果をスクリーンで発表。
上映作品

『TIFFティーンズ映画教室2018』、『蛍はいなくなった』、『ジェリーフィッシュ』ほか

受賞結果

<第31回東京国際映画祭コンペティション部門受賞結果>

■東京グランプリ:『アマンダ(原題)』

■審査委員特別賞:『氷の季節』

■最優秀監督賞:エドアルド・デ・アンジェリス監督『堕ちた希望』

■最優秀女優賞:ピーナ・トゥルコ『堕ちた希望』

■最優秀男優賞:イェスパー・クリステンセン『氷の季節』

■最優秀芸術貢献賞:『ホワイト・クロウ(原題)』

■最優秀脚本賞 presented by WOWOW:『アマンダ』

■観客賞:『半世界』

 

<アジアの未来部門>

■作品賞:『はじめての別れ』

■国際交流基金アジアセンター特別賞:ホアン・ホアン『武術の孤児』

 

<日本映画スプラッシュ部門>

■作品賞:『鈴木家の嘘』

■監督賞:武正晴監督『銃』、田中征爾監督『メランコリック』

■東京ジェムストーン賞:木竜麻生、リエン・ビン・ファット、カレル・トレンブレイ、村上虹郎

参考 フランス映画「アマンダ」のTIFFグランプリに異論なし! B・メンドーサ審査委員長らが明言映画.com

鑑賞作品紹介

東京に着いた後にイベントの存在を知ったので、観たい作品は結構な割合で売り切れとなっていた。おじいちゃんは運良くチケットがとれた下記の2作品を鑑賞。

特別招待作品
『パッドマン 5億人の女性を救った男』
Padman
監督:R.バールキ
10/27(土)13:30-
作品公式サイト

作品概要

現代のインドで “生理ナプキン”の普及に生涯をかけた男の感動の実話。
「愛する妻を救いたい。」その一途な想いを胸に タブーを恐れず清潔で安価なナプキン作りに挑んだ男の行動が、やがてインド5億人の女性たちの救済へと繋がっていく。衛生的なナプキンが手に入らず生理障害に苦しむインドの女性たちの現状、そして男性が“生理”について語るだけでも奇異な目で見られる社会の中で公開した本作は初登場No.1の大ヒット!
主人公役のアクシャイ・クマールがみせたクライマックスの演説シーンは圧巻で、観客を感動と涙の渦に巻き込む。本作のモデルとなったムルガナンサム氏はTIME誌の「世界で最も影響力のある100人」にも選出された。

【予告編】

最後の国連での演説は必聴。娯楽作品として楽しめるぞ。映像も超綺麗。

公開はTOHOシネマズ系にて12/7(金)!


ユース
『TIFFティーンズ映画教室2018』
TIFF2018: Teens Meet Cinema –
監督:青チーム|赤チーム|黄チーム|緑チーム|吉川麻衣子
10/28(日)13:20-

作品概要

若い映画ファン・映像作家の創出を目的に設立されたユース部門の特別企画として、特別講師に大九明子監督を迎え、東京の六本木・麻布を拠点に夏休みを利用して実施された中学生向けの映画制作ワークショップ。

そして、もう一作品はここでしか観られない面白い試み。少し詳しく紹介しよう。

上映の構成は、映画制作ワークショップにて中学生が作成した10分ほどの短編4作品(青・赤・黄・緑チーム)とその模様を追ったドキュメンタリー「映画がうまれるとき」(監督:吉川麻衣子)というもの。

ワークショップは、夏休み期間の8日間を利用して開催。特別講師に『勝手にふるえてろ』の大九明子監督を迎えて、ストーリー作成に始まり、撮影、編集、ポスター撮影、一部チームでは音楽制作までを生徒自身の手で行った。最終日には家族を招いた上演会を実施。このイベント自体は今年で通算14回目になるが、中学生を対象としたのは今回が初だという。これまで、小学生を対象とした3日間のものだったが、中学生ということで期間も3倍に延長されたのだそう。

1チームは6人編成。チームリーダーとして各チーム1名大人が加わる。参加者は全国の応募者から抽選で選抜された。

4チームの作品は下記の通り。各作品の上映後には、制作チームが登壇して挨拶が行われたあと次のチームへ移るという運び。

『カミサマノオトモダチ』
監督:青チーム
タケシ、モカ、カンタは仲の良い友達。3人が集まったとき、ある奇妙な話を聞く。その場は普通に話していたが、その後この話が3人の運命を変えていく。

 

『煎餅』
監督:黄チーム
日々、堕落した生活を送り、ぼんやりと煎餅をかじってばかりだった笹野サトシ。ある日、母の言葉で覚醒し、両親や友人のみかやこうたを巻きこんでの「計画通りの生活」が始まる…。

 

『Birthday』
監督:赤チーム
2032年、「Wウイルス」が流行った。これによって99%の大人が死んだ。この世界でもがいて生きる「しゅう」「りょう」「かれん」の三兄弟。色々な困難を乗り越えた向こう側にあるのは…。10分後にあなたは衝撃の事実を目撃する。

 

『15の夏 優しい嘘はだれを幸せにするのか』
監督:緑チーム
いつも通りの日常を過ごす蒼。だが、蒼が親友の楓に向かってついた「ある嘘」が日常を変化させていく…。


左上:青チーム、左下:黄チーム、右上:赤チーム、右下:緑チーム(東京国際映画祭HPより)

上から、ホラー、コメディー、近未来SF、恋愛・青春ものといった内容で各チーム上手くジャンルがバラけている。あらすじを読んだだけでちょっと面白そうではないだろうか。

上演後には、特別講師の大九明子監督、メイキング「映画がうまれるとき」を監督した吉川麻衣子さん、企画・運営をしたこども映画教室代表の土肥悦子さんによる質疑応答が行われた。その様子が動画公開されているので、ご参考に。

おじいちゃん

実はおじいちゃんもどこかに映っております

イベントレポートはこちら。

参考 大九明子監督、「TIFFティーンズ映画教室」で特別講師「口出しのしがいあった」映画.com

所感

作品のクオリティー自体は、セリフが聞き取れなかったり、オチがよく分からなかったりした部分もあり中学生が作ったなりのものだったが、そんなことはどうでもよくて、この試み自体を評価したい。こんなことが中学生時代にできるなんてなんたる羨ましいことよ。また、舞台上での挨拶も含めて「あぁなんか中学生ってこんな感じだったな」と郷愁に駆られてしまった。

このなかから未来の映画人が生まれるかもしれないなんてちょっとワクワクするのぅ。

 

終はり。

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