福島アナのファッションのこだわり
神門:僕らはこの中二、中三くらいというと如何に周りと同調していくか。
大して興味が無いのにね、なんか友達が読んでるからファッション系の雑誌とかをね。
石垣:そんなの読んでたんですか?
神門:いや、ちょっと貸してよなんていう話。
福島:読んでました?そんなの。
神門:全然意味は分かんないですよ(笑)
石垣:でも読むフリはしてた?
神門:フリはしててね。
そういう風になるけれども、だけれども我が道を行くっていうことで?
福島:そうですね。それが、何と言うんですかね…それがロックだみたいな感じがあったんじゃないですかね、たぶん。
当時の中学生の僕にとっては。
神門:流れてる曲は全然ロックじゃないけど。
福島:そうそうそう。みんなが同じように、ちょうどラップが流行り始めたぐらいだったんですよ。
だから同級生でラッパーになった友達とかもいるぐらいなんですけど。
たぶんそういうのを聴くのがかっこいいと。
で、みんな眉毛を、マッチ棒みたいに細くして。
ワックスっているのがね、こんなちっちゃい小瓶?小瓶じゃないですけど。
何て言うんですか?
石垣:ちっちゃいケースみたいな。
福島:そうそうそう。
のど飴の瓶みたいのにいっぱい入って売るようになって。
それで頭みんなツンツン立てて。
で、ズボンを太ももの半ばぐらいまで下ろして、腰にチェーンをぶら下げてっていうのが当時の中学生、高校生で流行ってたんですよね。
私はそれをやってるやつらが全員同じ格好をしてるのが、なんか気持ち悪くて。
個性を出そうとしているはずのファッションというもので、なぜ君たちはそんな画一化されていくんだと。
ということで私は今この髪型、ラジオなんでお分かりないと思いますが、七三分けにしてるんですけど。
これは中二のときからなんですよ。
神門:分け目変わらず?
福島:分け目変わらず!
神門:右から左へ。
福島:そうそうそう。
だんだん薄くなってきて。ここだけが。
これはもう中学生のときから変わってないんです。
石垣:へぇ~
福島:それはもう人と同じことをやらないようにしようといいますか。
ちょっとでも自分らしさを生み出そうとする青春の、思春期のときに起こりがちな動きがそういう風に出たんですね。私の場合。
神門:今日もね、きっちり七三に分けてらして。
そしてスーツにネクタイ、白いワイシャツ。
先程、信用金庫の話があったけれども。
もう、どこかの信用金庫の支店長でもやってそうな。
福島:年賀のご挨拶に。
神門:年賀のご挨拶にやってきたっていうような感じですけれども。
今も、ずくなしさんからも「神門さんよりもNHKアナウンサーらしいアナウンサー」なんていう。
私もだってなんか、ね?
石垣:いつものなんかこう…
神門:ボーダーのシャツにジーンズ履いて。
福島:お洒落ですよね。
神門:いや、全然お洒落じゃないですけども(笑)
石垣:(笑)
福島:シティーボーイな感じが。
神門:たぶん逆転現象みたいになって……
NHKアナウンサーらしいって言われるのはどうですか?
福島:なんでしょうかね。
いや、これは嬉しいですけどね。
まぁ意識的にと言いますか、そのスタイルが好きでいたっていうのがやっぱりありますので。
そうですね、選択的にこの格好を選んでいるっていうところがありますのでね。
神門:そうですか。
石垣:いつもスーツなんですか?
福島:はい。
石垣:ずっと?
福島:これは大学生の頃から。
石垣:え?ま、毎日?
福島:毎日。
石垣:どこに行くにでも?
福島:どこに行…まぁ、お休みの日は違うんですけど。
神門:お休みの日はどんな感じですか?
福島:お休みの日はジーンズ履いたりすることもありますよ、それこそ。
でもね、やっぱり襟の付いてない服は気持ち悪いんですね。なんかね。
神門:Tシャツとかは嫌?
福島:Tシャツとかは嫌なんですよね。
「下着じゃない?」と思っちゃうんですよね。
石垣:そうですか!?
福島:はい、あれ嫌なんですよ。
石垣:ちょっとここカッチリしてて欲しい?首元。
福島:カッチリしておきたいなっていうのはあるんです。
ですからまぁ、お休みの日と仕事の日、大学に行く日とお休みの日、これは別けてるって感じですかね。
石垣:はぁ~。じゃあ今、仕事がある日はもう絶対スーツで?
福島:楽なんですよ。
石垣:ネクタイ締めててもですか?
福島:ネクタイ締めてるほうが。
何やっててもちゃんとした人に見えるじゃないですか?
神門:確かに。
福島:これネクタイ緩めてごらんなさい。
もぉ~、こんなの……何だこの人?ですよ。こんな態度でもう。
神門:僕もね、こんなラフな格好でNHKの局内歩いてますでしょ?
そうするとね、結構Yシャツ組から軽く見られるんですよ。
エレベーターとか乗ってもね、「あいつどこのあんちゃん?」みたいな感じでね。
「はい、先に通るよ」みたいな感じでね。
石垣:確かにね。
神門:「格好で判断するんじゃねぇよ!」とか思いながらね、いつもね。
「俺の方が絶対年上だけどな!」みたいなね。
福島:ハハハ(笑)
神門:感じでね、見てますけれどもね。
福島アナのNHK愛
福島:まぁ、私放送好きでもあったので。
ずっとNHKのラジオ聴いてたってのもありますし、テレビも好きだったものですから。
で、たぶん高校生ぐらいのときだったと思うんですけど、NHKの放送50周年だったんですかね、確か。
で、昔のアーカイブみたいな番組もいっぱいやっていて、それを一生懸命見てて。
これもまた、なんか貴重な映像が出るはずだと思って録画するわけですけど、ビデオテープに。
で、録画して、そこ見てると三連式のカメラってあるでしょ?レンズ3つ付いてる。
神門:箱の前に3つ筒が、トイレットペーパーの筒みたいなのが3つ付いてるの。
福島:そうそうそう。柴の資料館に行くと置いてある。
今、『いだてん』でね、志ん生さんの役をたけしさんがやってますけど。
そのたけしさんが喋ってる目の前に生中継しているような感じで放送されてましたけど、昨日も。
カメラが置いてあるでしょ?で、カメラを操作する人たちみんな白シャツにネクタイなんですよね。
神門:はぁ~、はい!
福島:これがかっこいいなと思ったんですよ、私。
これが放送マンだと思って。
これをやろう!やりたい!という気持ちになって、放送局に入ろう思ったんですけどね。
神門:放送局に入ろうというときにNHKの試験は受けなかったんですか?
福島:これ、受けなかったんですよ~
神門:あぁ、そうですか。
福島:無理だと思って。
あまりにも私の中では気高い存在と言いますか。
もうレベルが高すぎて。入っていけるはずがないと。
私のような、こんな者がと。
神門:僕は逆にMBSさんの試験も受けまして。
福島:え!?そうなんですか。
神門:受けました。
一般職試験も、アナウンサー試験も受けました。
東京支社で受けましたね。
福島:あっ、そうですか。
神門:野村啓司さんが、当時『いい朝8時』。
うつみ宮土理さんと担当されてましてね。
「あぁ!あの野村さんだ。子供の頃から見てる野村さんだ!」と思って。
ものすごく声が太い!響く!
福島:ねぇ。いい声ですよね。
神門:びっくり!
その声を聞いた瞬間に、「あぁ僕はもう無理だ…」と思って声が小さくなった覚えがありました。
もちろん不合格でしたね。
福島:優しいダンディーな先輩ですけどね。
もう73歳とかそのぐらいだと思いますけど。
今でも現役で喋ってらっしゃいますよ、OBC(ラジオ大阪)で。
《続く》福島アナがアナウンサーになった経緯とは?