【New】月刊ポッドキャスト新聞5月号

【レビュー】『野菜炒め』|マキタスポーツ食道(第3回)

『マキタスポーツ食道』

テンプレ情報

  • 配信タイトル:『今回のテーマは「野菜炒め」マキタ節炸裂!』
  • 配信回:第3回
  • 放送日:2018-04-29(19:20-19:40)
  • 配信日:2018-05-01
  • 長さ:14:56
  • オンエア曲:Vegetable / 岡村靖幸

内容

マキタスポーツ:こんばんわ、マキタスポーツです。
この番組は、サービスエリアやパーキングエリアでつい食べてしまうソフトクリーム、ラーメン、ご当地グルメなど、食にまつわるあらゆることをテーマに語っていきます。
今回のテーマは「野菜炒め」!非常に奥深いテーマなんですよ、実は。

野菜炒め
via ニッポン放送

野菜炒めはむずかしい

(01:00~)

マキタ:まず野菜炒めなんですけど、皆さん必ず一度は作ったことがある。そして、同じように一度は野菜炒めで強く挫折も経験しているんじゃないでしょうか。「野菜炒めを通らずして、全ての道は開けない」と言ってもいいぐらいです。
しかし、皆さんいきなり野菜炒めからデビューしてませんか?僕もそうでした。
あれは18歳のとき、1988年バブルの真っ只中の頃です。18歳で上京してきて、やっぱり最初にチャレンジしたのが野菜炒めだったわけだ。出来ると思ったわけ。ところが、全然上手く出来ないんだよね。つまり、結論を最初に申し上げると、いきなり「野菜炒め」っていう難しいものを、一番最初に生優しいものだと思って作ってる!この勘違いからスターとしてるわけですよ。言ってみれば「いきなり凄い難しい技から入っちゃってる」ってことですよ。本当は側転ぐらいから始めなくちゃいけないのを、いきなり月面宙返りから始めてるんですよ。
この悲しき野菜炒めAGEっていうのが18歳ですよ。ここで初恋が挫折するように、初野菜炒めは挫折に終わっていくっていうね。
最初から上手くいったやつなんて誰一人いないんだよ!しかも、現在進行系で野菜炒めというものがちゃんと上手く出来てる人間なんて果たして中華料理屋さん以外いるんでしょうか?僕はほとんどいないと思いますよ。これだけレシピがネットなどで容易く手に入る時代だと思いますけどね。
こういうシンプルなものって本当に難しくて、我々が望んでいるものは、中華料理屋なんかの強い火力で、多めの油を使って、「ザッザッザッ」とあまり時間をかけないであがるのが野菜炒めの理想形と思ってるんですけど。それを家庭に持ち込むことは不可能ですよね。だから漠然とお店の野菜炒めを想像して作っちゃうからミスが起こるわけですね。
とはいえ、僕はそのミスごと愛でたいね。「野菜炒めにゴールはない」と思いながら、トライ・アンド・エラーを繰り返してる現在進行系の野菜炒めが僕は好きですよ。「これで十分だ、もう失敗はしない」なんていったら、つまんないじゃないですか。伸び代がないですよね。ですから、そんなに性急に答えを求めるんだったら当番組じゃなく、ネットとかのレシピを見て間違えないようにやればいいんじゃないですか?間違えないように!しかし「それって本当の料理?」って僕は思うわけです。
何を言ってるんでしょうか(笑)つまり「間違ったっていいんですよ」って僕は言いたいんですよ。野菜炒めは間違いがちってことですよ。芯が残っちゃった何とも言えない味気ないキャベツを食べてるときの気持ちも愛そうよってこと。
でも、かくいうマキタスポーツおじさん、食助平ですから答えらしきものがないわけではないので。

答えはおあつらえ向きな一曲の後に。

(♪岡村靖幸『Vegetable』)

野菜炒めのポイントはフライパン

(05:43~)

野菜炒めの答えらしきものについて。

マキタ:フライパンが重要だと僕は思ってましてね。なるべく均質に作るのであればテフロン加工のものでやったらいいと思うんですよ。
しかし、本当に美味しい野菜炒めを作るのであれば、鉄の重いフライパンあるでしょ。あれを育てないと!油染み込ませないと!数々のトライ・アンド・エラーを繰り返した後に、フライパンが段々出来上がってくるんですよ。味を含んで、フライパン自体が美味しくなってくるんですよ。
そのフライパンのエイジングが大分影響するというのが僕の説ですね。これは一朝一夕には出来ないことなので、かっぱ橋に行って、鉄のフライパンを調達して、育てていかなくちゃいけないということですけどね。
というのがまず一つ。

鉄フライパン
via NIKKEI STYLE

マキタ流野菜炒め

(07:15~)

マキタ:そうじゃなかった場合には、火力が重要だったりしますね。
いろんなアプローチがあるんですよ。贅沢にいうんだったら、僕も昔やったことあらるんですけど、コンロが二口あるとしらた一つの方で野菜を素揚げ状態にしちゃうわけ。個別に。それは火の通りとかの加減があるから。根菜系のものを素揚げにしたり、キャベツも素揚げにすると色とかもいい感じになるしね。それを別盛りにしておく。肉を一方で炒めておいたものに、素揚げ状態にした野菜を合わせて、こっちの方で醤油とか、酒とか、うま味調味料の類を混ぜた合わせ調味料を入れて、一気にガーッと炒めて、最後にごま油で仕上げるっていうやり方だってあるんですよ。
ただそれは結構大ごとじゃない?だから、その大ごとを取るのか、段階的にやっていくかってことなんですけど。
冒頭申し上げたとおり、中華料理屋さんの野菜炒めの火力ってのはほぼ無理なので。かといって、最初にもの凄いフライパンを熱しておいても、野菜とか色んな素材を入れていくと、どんどん温度下がってっちゃうから、それはできないんですね。ですから、一個一個じっくり焼いていくってことですね。野菜炒めっていいますけど、焼いていくってのが割と重要なんですど、素人さんは火の管理がそんなに出来るわけではないので、あまり火は強くしないほうがいいと思いますね。中火くらいでまずキャベツ・・・あぁ面倒くせぇな、色んなこと語る切り口がいっぱいあるなぁ!
白菜派ですか、みなさん?それともキャベツ派ですか?ベーシックなとこあるじゃないですか。僕は白菜時代があったんですけど、今はキャベツに落ち着いてます。やっぱりキャベツを美味くできないと、野菜炒マーじゃないですね。野菜炒ミストじゃないんですよ。やっぱりキャベツを制さないといけない。僕キャベツの調理を凝ってる最中なんですけど。キャベツをじっくりですね、下手にかき回さないで。混ぜ返したくなるじゃん?焼いちゃって!半面ずつみたいなイメージで。
もやしとかはシャキシャキ感が重要なので最後の方にとっておいたほうがいいんだ。合わせ調味料はお好みだけど、僕のお好みいうと塩(塩はマグマ塩っていうご機嫌な塩があるわけ)・胡椒、うま味調味料、これがベース。醤油とかはほんの隠し味程度にして。オイスターソースもほんのちょっと。あんまり色付けないほうがいいんだ。塩味的な感じに演出するわけ。それらと片栗粉を混ぜ合わせた状態で合わせ調味料を作っておくわけ。で、最後にそれを合わせてチャチャっとやるととろみがついた状態になるでしょ。仕上げにごま油をサッとたらして出来上がり。
肉は、言い忘れた、豚バラ肉がいい!豚コマがいいけど、豚バラ肉の油がすげぇ仕事するから!間違いないから!
あっちこっち話飛んじゃったけど、段階を踏んでやってく。キャベツを最初に炒める時はあんまりかき混ぜないほうがいいね。なんだったらちょっと焦げ目がつくぐらい。それが僕のオススメかな。
だから簡単に作ろうと思ったらダメなのよ、「野菜炒め」って。最初、出来ると思ってるから。それがやっぱり18歳の野菜炒めの始まりってのは、最初の恋が失敗すると焦るじゃん?いろんなこと。それと同じだと思うんですよね。
以上が、野菜炒め恋愛論ということでございまして(笑)皆さんも是非試して頂きたいなと思っております。

マグマ塩
via こだわり調味料

お便り紹介・背景飯

(12:00~)

マキタ:僕が提唱している背景飯ということについて結構お便り頂いていますけど、こちら凄くいいですよ。

【名前:中山さん、件名:悲しい食の思い出】

後ろめたい、人に話せない食の思い出があります。僕が社会人一年目から一人暮らしを始めた頃の話です。
当時月給15万円程度。家賃7万、光熱費1万、NHK受信料も払い、インターネットも引き、携帯代も払った挙げ句、自由に使えるお金は5万円程度。
当時は北海道産のお米・ななつぼしと特売の卵と永谷園の炒飯の素が頼りでした。
社会人一年目の自分は定時に帰って家には6時半には到着。慣れない仕事に身も心もヘトヘトで、腹ペコ状態。とにかく味はさておき、腹一杯に食べたいという欲望があった。

マキタ:気持ち分かりますよ。色々試したなかで永谷園の炒飯の素が良かったということですね。

(続き)今となっては一人暮らしも10年が過ぎて手慣れたもので、失敗もなく、昔は卵だけだった具が今や叉焼やネギや海老まで入れちゃう豪華な炒飯になってしまった。

マキタ:ということで、こういう貧乏とか経験して、今は立派な自分らしい炒飯というものを作ってるという。こういうプロセスが大事ですね、背景飯ね。素晴らしいんじゃないですかね。

永谷園・チャーハンの素
via 永谷園


マキタ:こういうのも来てますよ。

マキタさん、ニッポン放送へおかえりなさい。
マキタさんに質問です。
コンビニに行くとレジ横にある揚げ物、その辺のコンビニ横グルメ事情についてもどのように楽しんでますか?

マキタ:これ次回以降やりましょう、必ず!ホットフードに関しては。
うん、下品なほどいいと僕は思ってますけどね。

『マキタスポーツ食道』 【レビュー】『コンビニ横グルメ事情』|マキタスポーツ食道(第4回)

Twitter @makishoku

感想

一般人は野菜炒めを作るのに素揚げはもちろん、片栗粉でとろみを付けないし、ごま油で仕上げないし、フライパンも育てないと思われる。少なくともうちのおかんは決して考えにも及ばなかったはず。
今回のマキタさんの野菜炒めへのこだわり、それは最早胃袋を満たすという食本来の目的を超越した、味覚の満足度への挑戦と一品を極めたいという偏執、それを達成するプロセスである調理をエンタメとして楽しむ料理愛、則ち食への愛が成すもの。

ところで、いわゆる「野菜炒めの正解」ってなんじゃろう?

ご飯のおかずなら焼き肉のタレ風味がいいし、ビールのお供ならオイスター風味やマキタ流の塩味がいい。
味付けの好みはTPOで変わるが、恐らく正解は野菜の食感にある。もやしはシャキシャキがいいし、基本的にはどの野菜も火が通り過ぎないで歯ごたえがあるのが美味いのだと思う。味付け後に炒めすぎて、野菜の水分でベチャベチャになったものが最もよくある失敗かつ、最も野菜炒めの味を損なう。そういう意味では無駄な水分を絡めてくれる片栗粉は理にかなっている。

シンプルなものこそ奥が深いという典型的メニューである野菜炒め。
これまで大学生の自炊メニューか、おかんの手抜きメニューぐらいの印象しかなかったが、今一度その深遠さと美味い野菜炒めとは何かについて思考を巡らせてみたい。そのきっかけを与えてくれた回であった。

 

終はり。

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